プロが教える!炊飯器を使ったおいしいごはんの炊飯方法

「業務用の炊飯器で、もっとおいしいごはんを炊くことはできないか」とお悩みの方はいらっしゃいませんか。

業務用の炊飯器でおいしいごはんを炊くためには、ちょっとしたコツが必要です。

今回は、炊飯器でおいしいごはんが炊ける工程と、業務用の炊飯器でおいしいごはんを炊くためのおすすめの炊飯方法をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

炊飯器でおいしいごはんを炊くためにはどうすれば良いか

業務用の炊飯器でおいしいごはんを炊くためには、炊飯器でおいしいごはんが炊ける工程を理解し、おいしいごはんを炊くための炊飯方法をマスターする必要があります。

炊飯器でおいしいごはんが炊ける工程

お米を炊く際の条件は、98℃以上で20分経過させる事です。

そうすることで、お米の中のデンプンが糊化(こか)し、おいしいごはんが炊けるのです。

炊飯器では、サーミスタと呼ばれる炊き上がりを感知するセンサーで鍋底の温度を測り、火力を調整する事で最適な炊飯を実現しています。

まずは、どのような工程を経て炊飯器でおいしいごはんを炊いているのかを説明します。

工程1. 温度上昇期

点火、または通電して窯の中の水が沸騰するまで、中~強火で加熱します。

おいしいごはんを炊くためには、沸騰するまでは10分くらいが良いとされ、その期間中お米は水分を吸収・膨張し、65℃を超えたあたりでデンプンの糊化が始まります。

加熱速度が速いと粒がしっかりしたお米になり、逆に加熱速度が遅いとデンプンが水に溶けだし、おかゆのようなダマになったごはんになります。

工程2. 沸騰期

窯の中の水が沸騰したら火力を弱め、ふきこぼれないようにして沸騰状態を5~6分維持させます。

この期間にデンプンの糊化が本格的になるため、沸騰期はおいしいごはんを炊くために非常に大切な工程です。

炊飯器でごはんを炊く際に「カニ穴」と呼ばれる穴のようなものが、炊き上がったごはんにできることがあります。

強火でお湯を沸騰させる、鍋の底から大きな泡が立ってくるのですが、その泡が下からお米を押しのけて通ってくる道、それがカニ穴です。

炊きあがったごはんにカニ穴ができるということは、窯の中で大きな泡が十分に発生して「対流」という現象が起き、お米が満遍なく過熱されると同時に、炊飯器内の圧力もより高くなることで、おいしいごはんが炊けているという状態を指しています。

工程3. 蒸し煮期

沸騰期が終了する頃は水分が少なくなるので、焦げないように弱火にして15分間蒸らすのですが、この間にデンプンは完全に糊化します。

沸騰期とこの蒸し煮期を合わせて98℃以上の状態を約20分保つことが、おいしいごはんを炊くポイントです。

工程4. 蒸らし期

蒸し煮期までの加熱の工程が終了したら火を消し、そのまま10分~15分間蒸らします。

この間に、米粒に付着していた余分な水分がお米に吸収され、ふっくらしたおいしいごはんに仕上がります。

その後、蓋を空けて、ご飯を切るようにして混ぜることがおいしいごはんを炊くためのコツです。

炊飯器でおいしいごはんを炊くための炊飯方法

先ほども少し説明したのですが、炊飯器でおいしいごはんを安定して炊くためのポイントは「対流」を起こすことです。

窯の中で対流を起こし、炊飯器でおいしいごはんを炊くための炊飯方法をご紹介します。

計量

炊飯器によって、一番おいしいごはんを炊くことができるお米の量は決まっています。

なぜなら、炊飯器によって最も対流が起こりやすい炊飯量が決まっているからです。

例えば、弊社コメットカトウの炊飯器では「1升=1.4㎏」で設計しており、炊飯量は生米2升~5升(2.8~7㎏)です。(※N型炊飯器のみ少量1.4kgで炊飯可能)(※電気炊飯器は最大6kg)

そして、一番美味しく炊ける炊飯量は4升(5.6㎏)となっておりますので、炊飯量を決める際の参考になさってください。

洗米

手洗いの場合は手早く3~4回洗い、洗米機の場合は米を割らない様に水圧を落として2~3分洗います。

お米が割れたり欠けたりすると、炊飯中の対流が悪くなって炊きむらが起こるばかりでなく、割れた面から澱粉が溶けだして鍋底に溜り、炊き上りセンサーであるサーミスタが誤作動を起こし、早切れやコゲの原因になります。

浸漬(しんせき)

水温が26~27℃の夏場は30分、水温が5~6℃の冬場は1時間、お米を水に浸して吸水させます。

お米を水に浸して吸水させることを「浸漬(しんせき)」と言うのですが、この浸漬時間が短いと米の内部まで十分な水分が供給されず、熱が伝わりにくくなり内部のデンプンが十分に糊化(こか)できず、おいしいごはんが炊けなくなってしまいます。

逆に浸漬時間が長いと、デンプンが水に溶け出してしまうだけでなく、お米が水分を吸い過ぎて炊き上りが糊状になるなどの悪影響があります。

また、炊飯器の場合は浸漬の際、水が白濁すると炊飯に不具合を生じる恐れがあるので水を入れ替えてください。

水切り

浸漬した後、お米をザルに上げて水を切ります。

ザルに上げる時間が長くなると、米の表面が乾燥し米が割れたり加水時にデンプンが溶けだしたりする恐れがあるため、ザルに上げる時間は5分を限度としてください。

炊飯器でおいしいごはんを炊こう!

炊飯器でおいしいごはんを安定して作るためのポイントは「対流を起こすこと」です。

今回ご紹介した炊飯方法を参考に、炊飯器でおいしいごはんを炊いてみてください。

弊社コメットカトウの炊飯器は、おいしいごはんを作るために多くのハードルを乗り越えてきました。

お店でおいしいごはんを提供したいとお考えの方は、ぜひコメットカトウの炊飯器でおいしいごはんを炊いてみてください。

炊飯器|株式会社コメットカトウ

また、コメットカトウでは炊飯器だけでなく、スチームコンベクションオーブン(コンビオーブン)の製造も行っています。

スチームコンベクションオーブンに関しましても、炊飯器と同様に多くのハードルを乗り越えて、おいしい料理が作れるようになっております。

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