スチコンってどんな厨房機器?設置に必要なものと活用されている場所

厨房機器として注目されている「スチコン」。

1台で蒸し料理や焼き料理など複数の調理方法が可能である多機能な加熱調理機器で、飲食店やホテルなど大量調理を必要とする調理現場で広く使用されています。

ですが、まだまだ「スチコン」についてご存知でないという方もいらっしゃるでしょう。

この記事では「スチコンを耳にしたことはあるけれど詳しくは知らない」という方に向けて、スチコンがどのような厨房機器なのかについて解説していきます。

どんな厨房機器?大量調理にも適した加熱調理機器「スチコン」について解説

「スチコン」とは“スチームコンベクションオーブン”の略称で、ホテルや飲食店、給食施設や中食惣菜店など色々な現場で利用されています。

まずはなぜスチコンが注目されているのかとその特徴や機能、導入するメリットなどについて解説していきます。

スチームコンベクションオーブンとは

スチコンは、オーブンにスチーム発生装置を取り付けて熱と蒸気をコントロールすることによって、1台で複数の調理方法を可能とした多機能の加熱調理機器です。

複数の料理を同時にかつ大量に調理が可能であるため、飲食店やホテル、給食施設などの現場でよく使用されています。

調理方法に関してはスチーム発生装置による蒸気で「蒸し料理」を調理できたり、熱風を機内に対流させることで「焼き料理」を調理できたりなど、他にも

  • 炒める
  • 煮る
  • 揚げる
  • 炊く
  • 茹でる

などが可能です。

オーブン機能のみだと仕上がりにムラができることもありますが、スチコンは熱風+蒸気の機能で庫内に対流を起こして蒸気を循環させることによって、庫内全体の温度と湿度をコントロールしているため、上記のような複数の調理方法でムラのない仕上がりにすることができます。

スチームコンベクションオーブンに備わっている3つの機能

スチコンには以下の3つの機能があります。

  1. ホットモード
  2. スチームモード
  3. コンビモード

①ホットモード

ホットモードは熱風を起こして庫内に循環させることによって食材を加熱し、「焼く」「揚げる」の調理が可能です。

温度は30〜300℃の範囲で設定することができます。

②スチームモード

スチームモードは蒸気を起こして食材を加熱し、「蒸す」「茹でる」の調理が可能です。

温度は30〜130℃の範囲で設定することができます。

③コンビモード

コンビモードは熱風+蒸気で食材を加熱し、「炒める」「煮る」「炊く」の調理が可能です。

温度は30〜300℃の範囲で設定することができます。

蒸気量も細かく調整が出来、最適な調理が可能です。

スチームコンベクションオーブンを導入するメリット

スチコンを導入するメリットは大きく分けて以下の3つがあります。

  • 複数の料理を同時に調理できる
  • 誰でも簡単に調理ができる
  • 調理時間を削減できる

複数の料理を同時に調理できる

スチコンは同一温度であれば複数の料理を同時に調理することができ、例えばチキン料理を焼いている下の段で魚料理を焼くことも可能です。

もし仮にスチコンがない厨房でこれら2つの料理を同時に調理しようとすると、コンロを2つ使用することになり場所も時間も制約されてしまいます。

しかしスチコンがあれば1台のみで2つ以上の料理を調理し、かつその間に他の料理にも手を付けることができるため、作業効率をアップさせることが可能です。

誰でも簡単に調理ができる

すべて手作業で調理するとなるとスキルや経験によって差が出てしまいますが、スチコンを使用すると誰でも簡単に調理ができるため、味や仕上がりにムラのない料理を提供することができます。

調理時間を削減できる

大量調理が可能であることから、調理時間を大幅に改善することにも繋がります。

そのため、お客様の回転率が高い飲食店や大量の料理が必要とされる給食現場などで重宝され、「生産性向上」や「人件費の削減」など経営的な視点から見てもメリットが大きくなると言えるでしょう。

設置するためには何が必要?スチコンの設置環境について

スチコンはガス式と電気式の2つが用意されており、それぞれ以下の設備が必要となります。

ガス式ガス、電気、給排水設備、換気設備
電気式電気、給排水設備、換気設備

どんな所で利用されている?スチコンの導入事例を紹介

スチコンは飲食店・給食現場・ホテル・高齢者施設など大量調理を必要とする場所で広く使用されておりますが、ここからは実際の導入事例として弊社の事例を2つご紹介していきます。

  • 中央区保育施設 様
  • 東京武蔵野病院様

【導入事例1】中央区保育施設様

最初にご紹介するのは「中央区保育施設」様の導入事例です。

こちらの施設では6段式のスチームコンベクションオーブンを導入いただきました。

  • 「タッチパネル式で使いやすい」
  • 「以前は食材がパサパサになってしまうことも多かったが、スチコンならふっくら美味しく焼ける」
  • 「自動洗浄付きで毎日お手入れが簡単」

などといったご感想をいただき、スチコンを活用した給食で日々子どもたちの成長に大きく貢献されています。

【導入事例2】東京武蔵野病院様

次にご紹介するのは「東京武蔵野病院」様の導入事例です。

こちらの飲食店では20段式のスチームコンベクションオーブンを導入いただきました。

  • 「軟飯や崩れやすい煮物、焼き物等たくさんの料理に活用できる」
  • 「人手不足にも対応できる」
  • 「スチコンを使用して安心・安全で尚且つ流行を取り入れた料理を提供していきたい」

などといったご感想をいただいております。

東京武蔵野病院の調理師の方々には元ホテルのシェフや和洋中各料理のプロ、パティシエの方がいて、ハイレベルなスタッフの方々で特別メニューやイベントメニューなど流行を取り入れた新メニューの開発にも尽力されています。

大量調理・新メニュー開発を実現!多機能な加熱調理機器「スチコン」が料理の可能性を広げる

今回は、スチコンの特徴や利用されている場所、設置する際に必要なものについて解説しました。

スチコンは大量調理が必要とされる現場で利用されていることが多いですが、飲食店の厨房にも適した小型のモデルもございます。

蒸し料理や焼き料理などに適した厨房機器をぜひあなたのお店で活用してみてはいかがでしょうか。

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